株式会社加納は、岐阜県多治見市でタイルをつくってきました。多治見は、古くからのタイルの産地です。プレス成型の精度、釉薬の調合、焼成の温度管理 ── 60年以上にわたって、職人の技術と経験を積み重ねてきました。
60年以上、タイルを焼いてきた会社が、焼くことをやめた。
そこから、Terrawell は始まりました。
株式会社加納は、岐阜県多治見市でタイルをつくってきました。多治見は、古くからのタイルの産地です。プレス成型の精度、釉薬の調合、焼成の温度管理 ── 60年以上にわたって、職人の技術と経験を積み重ねてきました。
2022年、加納は60年以上続けた自社窯を停止しました。タイルを焼く窯は、1,250℃前後の高温を長時間保ち続けます。その火が、大きなエネルギーと CO₂ を生む。
焼かない ── それは、高温焼成に伴う CO₂ 排出を、製造工程そのものから断つ決断でした。
焼かずに、どうやって固めるのか。
Terrawell は、空気中の CO₂ を取り込みながら、常温で固まります。ミネラルがゆっくりと結晶化し、時間をかけて石へと近づいていく。火の代わりに、空気と時間を使う。
CO₂ を排出する素材ではなく、CO₂ を取り込む素材へ。この反転が、Terrawell の核にあります。そしてこの焼かない製法は、特許を取得しています。
60年の蓄積は、捨てていません。プレス成型の技術は、そのまま活かしています。置き換えたのは、焼成の工程だけ。職人の手は、新しい素材へと受け継がれました。
Terrawell の製造には、セラミックタイル工場がすでに持っている設備がそのまま使えます。焼成炉を必要としません。だから Terrawell は、加納一社が抱え込む素材ではありません。同じ設備を持つ同業者と、共につくっていく素材です。すでに、協業メーカーによる製品も生まれています。
焼成タイル産業が世界的な転換期を迎えるなか、Terrawell は、多治見というタイル産地の未来に、新しい素材としての貢献を目指します。既存の設備と職人の技術を活かしながら、新しい時代の建材をつくるための、ひとつの選択肢として。