- 参考価格
- ¥25,800/m²〜(税抜)
- 寸法
- 約109×109×9mm
- 施工量
- 84枚/m²
- ケース
- 100枚(18kg)・ケース(50枚入り×2箱)
Terrafuoco-109square / Terrawell
素材 / MATERIAL
Terrawell は、セラミックタイルではありません。天然ミネラルを主原料に、空気とともに固まる ── 新しいカテゴリーのミネラル建材です。
セラミックタイルでも、塗り壁でも、調湿ボードでもありません。ミネラルを焼成せずに、空気とともに固める ── 既存のどの建材カテゴリーにも属さない、新しい素材です。
Terrawell は、外観や用途の一部が既存カテゴリーと重なるため、混同されることがあります。しかし、製法・性能・ライフサイクルのすべてにおいて、Terrawell は別の論理で成り立っています。
セラミックタイルは、粘土を含む複数の鉱物原料を1,250℃前後で焼成して作られます。Terrawell は焼成しません。常温で成形し、ミネラルの結晶化によって固化します。高温焼成という工程を持たないこと ── そこに、製造時のエネルギーと CO₂ 排出をめぐる根本的な違いがあります。
漆喰や珪藻土は、職人の左官技術によって現場で仕上げる湿式工法の建材です。Terrawell は、工場で板状に成形された乾式の建材で、施工精度と品質の再現性が安定しています。仕上げのばらつきや、乾燥後のひび割れリスクから自由です。
多くの調湿建材は、湿気を吸って放つことを主な働きとしています。Terrawell はその調湿に加えて、ホルムアルデヒドをはじめ空気中のVOCも、同じ素材で引き受けます。単機能の調湿建材とは、室内環境への作用の幅が異なります。
試験データは性能ページで。株式会社加納は2022年、60年以上続けてきたセラミックタイルの自社窯を停止しました。焼かないという選択は、高温焼成に伴うエネルギーと CO₂ 排出を製造工程から断つ決断であり、Terrawell の出発点です。
Terrawell は、焼成炉の熱ではなく、ミネラルがゆっくりと結晶化していく反応によって固まります。常温で成形され、時間とともに石へと近づいていく ── 焼いて固める建材とは、固化の原理そのものが異なります。
Terrawell は、他産業で役目を終えた素材を受け入れ、新しい建材へと送り出してきました。さらに、Terrawell 自体も使用後にふたたび原料へと戻すことができます。受け入れる循環と、送り出したあとの循環。その両方を備えることで、一方通行で消費されるのではなく、循環の中に置かれた素材として設計されています。
これまで受け入れてきた素材の実例を見るセラミックタイルの製造工程は、焼成炉を中心に組み立てられています。1,250℃の熱で粘土を含む複数の鉱物原料を焼き固める ── この一点を成立させるために、施釉、乾燥、選別といった工程が前後に必要になります。
Terrawell は、別の原理で固まる素材です。焼成炉ではなく、空気と時間によって。だから、製造工程の組み立て方そのものが、根本から異なります。
株式会社加納は60年以上、セラミックタイルを作ってきました。プレス成型の精度、釉薬の調合、焼成の温度管理 ── ひとつひとつの工程に、職人の技術と経験が蓄積されています。
Terrawell は、その蓄積の中から、新しい素材を生み出す試みでした。プレス成型の技術はそのまま活かす。焼成は、空気と時間による固化に置き換える。そうすることで、CO₂ を排出する素材ではなく、CO₂ を取り込む素材を作る ── この性質の反転が、Terrawell を成り立たせています。
工程の構成が異なるのは、両者が異なる原理で固まる素材だからです。同じ「タイル状の建材」に見えても、Terrawell とセラミックタイルは、製造哲学の段階から、別の道を歩んでいます。
Terrawell は、株式会社加納一社が抱え込む素材ではありません。同じプレス成型設備を持つ同業者と、共に作っていく素材です。すでに、協業メーカーによる Terrawell 製品も生まれています。
Terrawell のプレス成型に必要な設備は、セラミックタイル工場が既に持っているものと同じです。新たな設備投資は要りません。長年使い込まれた成型機の精度と、それを扱う職人の経験が、そのまま Terrawell の品質に活きます。
Terrawell の製品の一部は、すでに協業メーカーによって製造されています。株式会社加納が素材の設計と品質基準を担い、製造を複数のパートナーで分担する ── 一社の生産能力に依存しない、開かれた製造構造です。
焼成タイル産業が世界的な転換期を迎える中、Terrawell は、多治見というタイル産地の未来に、新しい素材としての貢献を目指します。既存の設備と職人技術を活かしながら、新しい時代の建材を作るための、ひとつの選択肢として。
Terrawell の表面は、ミネラルが結晶化した粒状の素地で覆われています。焼成炉の熱で硬く焼き締めるのではなく、ミネラルがゆっくりと結晶化することで固まる ── その固化の原理が、そのまま表面の表情になります。
粒状の自然石を思わせる、ざらりとした手触り。光を均一に反射せず、わずかな陰影を抱きこむ肌合い。すべてに通底する、Terrawell の物質的な性質です。
Terrawell の色は、加えるものではなく、素材が持つものです。顔料を用いず、ミネラル素地そのものの色合いを活かしています。
PRO タイプ(Terrafuoco / Forza / SURF)── オフホワイト。
やや黄味を含む、自然鉱物の中庸な明るさ。
S タイプ(TerraTessera)── ホワイト。
より明度の高い、ホワイト寄りの色合い。
ふたつのタイプは、色だけでなく、調湿機能や強度などの特性にも違いがあります。建築の中で、空間に求める表情と機能に応じて選ばれます ──
詳しい性能数値は、性能のページへ。
住まいの静けさに、もてなしの場の佇まいに。
屋根や庇に守られた半屋外にも、Terrawell は居場所を見つける。
光を受けるたび、面はあたらしい陰影を結ぶ。
Terrawell の 5つの製品は、ひとつの共通基盤を持ちます。ミネラルが結晶化した粒状の素地 ── 焼かないという製法から生まれた、すべてに共通する表情です。
その共通基盤の上で、5つの製品は2つの系統に分かれます。製法の論理が、根本から異なるからです。
Terrafuoco-109square / Terrafuoco-165square / Forza / SURF
金型に刻まれた意匠を、ミネラル素地に転写する。ドーム型、フラット面、ブリック調、放射状の帯 ── それぞれの形は、金型の表面が決めます。
意匠は、設計通りに繰り返されます。量産可能で、プロジェクトごとに同じ表情を確実に得られる。建築の予測可能性を支える系統です。
TerraTessera
一度厚いタイルに成型したあと、真ん中から縦に割る。割られた瞬間に、素材の内部が ── 鉱物片が密に詰まった割面が、そのまま意匠になります。
金型を介さない分、表情は豊かに、自由に立ち上がる。ひとつの素材から生まれた 2 枚は、二度と同じになりません。偶然性が固定された、一回性の系統です。
両方を提供することが、Terrawell の選択です。再現性のある量産と、二度と同じにならない一回性 ── 建築には、どちらの素材も必要だからです。
各製品の詳細は、製品仕様へ。
Terrawell の素材は、火を使わずに鉱物を固める独自の技術から生まれます。その中核は、特許庁に登録された発明です。
火を使わずに鉱物を固める"硬化体"の発明です。従来の非焼成の素材より、強度を高めています。
天然鉱物を非焼成で固める"調湿建材"の組成と製法に関する、2件の登録特許です。
いずれも、特許庁の特許原簿に登録された技術です。